ドッグフードにも賞味期限ってあるの?期限過ぎたものをあげても大丈夫?

いまや家族の一員の愛犬。愛犬の大切な栄養源のドッグフードは保存がきくことから、うっかり賞味期限が切れていたなんてことも時にはあるのではないでしょうか。

賞味期限が切れていても臭いや色に変化がないので、そのまま愛犬に食べさせてしまっている飼い主さんも少なくないようです。

しかしドッグフードに賞味期限が設けられているのにも意味があります。そのまま与えてしまっていては愛犬の健康を損なう恐れもあります。

愛犬の健康を守るためにもドッグフードの賞味期限を意識するようにしましょう。

ドッグフードの種類

ドッグフードにはドライタイプのものやウェットタイプのもの、ドライタイプとウェットタイプの中間に位置するセミドライタイプのものがあります。

ドライタイプはドッグフードの中でも最もポピュラーなものではないでしょうか。動物性食品と植物性食品がバランスよく配合され、長期保存が利き、コストパフォーマンスにも優れ、与える手間がかからないのが特徴です。

次にウェットタイプですが、缶詰やパウチタイプの入れ物で販売されており水分を多く含むタイプのもので形状は様々です。多くの犬種が好みますが、愛犬の体調に合わせてドライタイプとウェットタイプを使い分ける必要があります。

セミドライタイプのものはドライタイプよりも柔らかく、ウェットタイプよりも硬めのドッグフードで、子犬やシニア犬も食べやすいのが特徴です。

ドライタイプの賞味期限

では、本題に入りましょう。ドッグフードのパッケージには賞味期限が記載されていますが、あくまでも未開封状態での事になります。当然、未開封状態と開封後では賞味期限は変わります。

未開封

ドライタイプのドッグフードの場合は、水分量が少ないことからパッケージに記載されている賞味期限は「1年」というものが多いようです。激安のものになると2年や3年といったものもあるようですが、あまりに長いものは保存料や酸化防止剤が使用されている可能性があります。

最近は、オーガニックドッグフードといって余計な添加物を使用していないものが注目されています。これらの無添加のドッグフードは酸化防止効果が弱いことから賞味期限も短くなっており、ドライタイプのドッグフードでも3か月程度しか持たないものもあるようです。

なお、ドッグフードのパッケージに記載されている賞味期限はあくまでも目安であり、保存状態によってはもっと短くなります。

開封後

開封後のドライタイプのドッグフードの場合、どのくらい保存ができるのでしょうか。

人間が食べる食品も「開封後はお早めにお召し上がりください」という表示を見かけます。ドッグフードの場合も同様です。開封後は早めに食べきるようにしましょう。

開封した直後より酸化が始まります。風味が落ち栄養素も劣化します。このように酸化したドッグフードは愛犬の身体に負担をかけることになります。ですから開封後は1か月を目安に食べきるようにすることをお勧めします。無添加のものは2週間程度を目安にしてください。

ウェットタイプの賞味期限

つづいてウェットタイプのドッグフードの場合はどうでしょう。

未開封

ウェットタイプのドッグフードの多くは缶詰やパウチタイプの入れ物に入った状態で販売されていることから賞味期限は比較的に長く、保存食にもなります。一般的には「2年から3年」というものが多いようです。

ウェットタイプのドッグフードの場合も記載されている賞味期限はあくまでも目安であり、保管環境によっては賞味期限内であっても劣化することがあります。

開封後

ウェットタイプのドッグフードの特徴は水分量が多いことになります。ドライタイプのドッグフードは水分量が10%以下と少ないことから比較的日持ちがするようになっていますが、ウェットタイプのドッグフードの場合は水分量が60%から80%程度あります。

このように水分量が多いことから傷みやすく、開封後の賞味期限は大変短いものになっています。基本的にはその日のうちに使い切るのが理想でしょう。仮に1度で食べきれない場合は2から3日以内には食べきるようにしましょう。

セミドライタイプの賞味期限

最後にセミドライタイプのドッグフードの場合ですが、水分量は30%程度の半生タイプのものが多く、大抵のものは「2年くらい」の賞味期限が設定されています。防腐剤や湿潤剤などが使用されており長持ちするようになっています。半生タイプのものは嗜好性が高く、個別包装されているものが多いのが特徴です。開封後はその場で消費できる量のものがほとんどですが、食べきれなかったとしたら1週間程度で食べきるようにしましょう。

では、賞味期限が切れたら

なぜ、ここまで賞味期限を意識する必要があるのでしょうか。

成分が変化?

賞味期限が過ぎても臭いや色に変化がなければ大丈夫だと思われるかもしれません。しかし、一般的に犬は食べ物のうま味を油脂で感じると言われており、食いつきをよくするためにフードの表面を油脂でコーティングしていることがあります。

油脂を使用しているので品質が劣化しやすいとも言えます。時間の経過とともに油脂が酸化し、一種の腐敗「過酸化脂質」に変質すると言われています。これにより犬の老化の原因でもある活性酸素を増加させることにもなります。

たとえ未開封状態であっても保管状態が悪いとそれだけで成分が変化し、愛犬の身体に負担をかけるドッグフードになってしまいます。

また、ドライタイプのドッグフードは水分を吸収しやすい傾向にもあります。そのため湿度の多いところで保管しているとカビが生えやすくなります。特に梅雨時期や夏場のように湿度が高い季節はカビには注意が必要です。

缶の成分が溶け出す?

ドライタイプやセミドライタイプのドッグフードとは異なり、ウェットタイプのドッグフードの場合は缶詰になっているものが多くあります。長期間の保存によって缶詰の内部塗装から有害成分が溶け出す恐れがあるともいわれています。

特にドッグフードに使われる缶は、人間用に使われる缶よりもグレードが低いケースが多く、長期保存によって缶の成分が溶け出している可能性が高いと言われています。

賞味期限切れのドッグフードを食べた時の症状

賞味期限が切れているドッグフードや粗悪なドッグフードを食べ続けると次のような症状が出てくる可能性が高くなります。

・体臭や糞が臭い
・皮膚や被毛がべたつく、痒がる
・大量に涙がでる
・下痢や嘔吐

賞味期限内のドッグフードを食べていたとしても保存方法が間違っていると、ドッグフードの成分が変質して上記のような健康被害に繋がることもあります。

もし食いつきが悪かったら

犬の嗅覚は人間の嗅覚よりもはるかに優れています。そのため人間よりもドッグフードの酸化や劣化に対して敏感に感知しています。

もし、食いつきが悪かったり、開封後と臭いが違う、ドッグフードがべたつくというような感じがあったら劣化している可能性があります。

ドッグフードの劣化は目には見えない場合があります。開封後の状態を覚えておくようにすることが肝心です。またドッグフードの劣化を防ぐためにも愛犬が食べきる量を把握して購入するようにしましょう。

まとめ

今回、ドッグフードの賞味期限についてみてきました。

賞味期限の切れたドッグフードを与えることによる愛犬への影響を考えると、きちんとした管理をしなくてはいけないことが分かったのではないでしょうか。

愛犬の健康を守るためにもきちんと管理して早めに消費するようにしましょう。